「……じゃあ、この席で決定な。反論がある場合、元の席に戻す」

 担任はそう言うと、朝のホームルームを終えた。

 そして休み時間になった瞬間、クラス中がお祭りみたいに騒がしくなる。



「やったな、一緒だ!」


「ああ、めっちゃ嬉しい!」

 なんて言いながら固く握手をした男子もいれば、


「あり得ない、こんな奴が隣とか」


「まあ、そんなこと言うなってー」


「近づくなっ」

 なんて言いながらも仲良く喋っているカップルもいる。

 まあ、その子達はみんながあえて隣にしたんだけどね。



「…………。」


「…………。」


 …お互いに全く喋らない人もいる。



 そんな中あたしは、目当ての窓際の席を確保できた。

 でも、夏音とも希依とも離れてしまって。


 夏音と希依は班は違えど前後の席なのに、あたしだけ遠くになってしまった。

 最悪なんて思うけれど、ショックを受けていても仕方ない。


 あたしは楽しそうな声を聞きながら、一時間目の準備をする。



「ねえ、」