「アキナ先輩。ありがとうございます。でも…」 いつもの笑顔と困り顔でやりすごそうとすると 「違うの!!」 そんな声がきこえて思わず俺は前を向いた。 「ただ表面の早記くんだけが好きなわけじゃない! たまに悲しそうな眼をしてる早記くんも 気が緩んで『俺』になってる早記くんも みんなみんな好きなの!! ほんとうに…」 俺は気づくとアキナ先輩を抱きしめて 言葉をふさいでいた。