「………あれ、なんかみゆ猫だけ狙われてね?」


俺のその言葉に
蔭山もこくこくとうなづいて肯定する。



「あれは、みゆちん狙われてんな。」



「あれは……」

やばいんじゃね?



その言葉はみゆ猫の悲鳴にかき消された。



あわてて前を見ると


みゆ猫が騎馬から落ちていった……。




「アイツ、黒沢アキナだ…。
春多のこと好きだって…………」




蔭山の言葉を背中に聞きながら


俺はみゆ猫に向かって走り出した。