障害物競争が終わると みゆのもとに小さな女の子が走ってきた。 「ぴょんたん、ありがとね。」 そういってみゆが差し出したうさぎのぬいぐるみを その子は両手で 抱きしめるように受け取った。 「おねーたん、こまってないー?」 「うん。もう大丈夫だよ。」 「りーたんね、こまってたらね、おともだちが たすけてくれたの。 だからね、りーたん、たすけるー。」 その子のその言葉に 私のなかでひとつの情景が思い出された。