あたふたしている私を見かねたのか
隆我くんは心配そうに覗きこんでくる。


フェンスの存在も忘れて思わず後ずさると
ガシャンッ
とフェンスがきしんだ。



すると隆我くんはもっと心配そうな顔になって


「………いや?」
と聞いてきた。


その目がいつになく悲しそうで
私に頷くことなんてできなかった。