ーあれは、雲がどんより重い 秋の夕暮れのことだった。 「リョウなんか知らないっ! どこにでもひとりで行っちゃえば…っ!?」 突然そんな叫び声が聞こえたかと思うと ガチャンッ と乱暴に扉が開く音が響いた。 「リオっ!!」 にぃのそんな声が聞こえて ガチャンッ また扉が 慌ただしく開いた。 ーこのまま別れて俺のところにくればいいのに ふとかすめたそんな意地の悪い自分を 俺は心から後悔することになる。