駅に到着する。 人混みってなんだか苦手で、ホームの隅に一人で立っていた。 「あのっ…」 その声と同時に、私の肩にポンッと誰かの手が乗った。 「…っ、は、はい」 実は、私は人に触れられるのが少々苦手なのだ。 恐る恐る振り返ると、そこには見たことのない男の人が立っていた。 「これ、落としたよ」 彼が差し出した手の中にあったのは、私のスクールバッグに着いていたキーホルダーだった。