「兄貴どうしたの?コンタクトあんなに嫌がってたのにさ。」


雪哉と小谷さんが付き合い始めて1週間が経つ今日、俺は眼鏡をやめコンタクトにした。


なんとなく嫌だったコンタクトだけど、小谷さんへの届かない想いに気づいた今…自分を変えてみたくなった。


「理由はねぇよ。なんとなく。」


雪哉に本当のことなんか言えない。


「そっか~。あっ!兄貴は好きな子とかいないの!?俺、協力できたらするし!」


…俺の中で何かが壊れた。


「…うるさい!出ていけよ…。」


雪哉に怒鳴ったのは何年ぶりだろう…。


「兄貴…ごめん…。」


雪哉は静かにそう言って出ていった。


お前が謝ることはないんだ…。


完全に俺の八つ当たり…。


雪哉のほうが先に小谷さんに恋してたし…


俺は雪哉に俺の気持ちを伝えていない。


雪哉はこれっぽっちも悪くないんだ…。


本当に…ごめんな…。



翌日━


学校に入ってすぐ、女子からの視線を感じた。


けど、その視線は他の奴に向けられたものだと思い平然と歩く。