side 隼人






純粋にただ、好きだった。



―――シュパッ…



スリーラインからうったボールはキレイな弧をかいて、ネットをくぐった。



「ナイシュッ、隼人」



後ろから慶太の声が聞こえた。



誉めたその言葉に、力はなかった。



「元気ないな」


「あー…そんなことないけど」


「そう」



それ以上は深く聞かなかった。



自分のことをしつこく聞かれるのはイヤだし。