「きゃあああ!!!!――いやあああ!!」

 半狂乱で飛び起きる。

「はっ…はぁ…はあ…!」
 
 暫く息を切らしながら、放心して、息を飲み込んだら、やっと状況把握が出来た。

「……何だ、夢か」

 どうやら私は気絶していたみたい。
 私が真実を知った日から、こんな夢ばかり見る……。
 化け物は――私だった。

「起きた?」

 声のする方向を見ると、靭がいた。
 その奥に幟呉と永璃がいる。
 
 幟呉は相変わらず無表情で、永璃はなんだか気まずそうだった。
 するとおもむろに、靭が口にする。

「圭子ちゃんさぁ、重いね。」

(……は?)

「三人だったから何とか圭子ちゃん連れて非難できたけどさぁ、足があるんだから自分で逃げてよね。あ!足が変身してるから重いのかなぁ?」

(こいつ!女の子に向ってニコニコと重い重い連発してんじゃないわよ!)

「で、ココ何処?」

 辺りを見回すと洞穴らしき中に、永璃のライターの火がゆらゆら揺れていて、薄暗い中での灯はあれだけだった。
 ライターの火は長く点けていられないので、灯は何秒かに一回消えては点いた。

「見ての通り、洞窟の中だよ嬢ちゃん。斜め前にあった洞窟に入ったんだ。だが、この通り……」

 永璃がライターを向けた方を見ると

「っげ!」

「出入り口が塞がれちまったんだ。」

(そ、それじゃあ、私この三人と閉じ込められた状態の中で「殺してくれ」って言ってるようなもんじゃない!冗談じゃないわ!……そうだ!この足なら雪の壁を蹴破って出れるかも!)

 そう思った時
 
 シュ~ ボン!

(げっ!……元に戻っちゃった……)

「……」

 暫く沈黙が流れる中、私は覚悟を決めた。