「おい、出るぞ。あなたも、他の病院に移って、しばらくは仲間と連絡を取らない方が良いですよ。」
ぶっきらぼうに言って、幟呉はドアを開けた。
「お姉さん、福崗さん、って言ったっけ?幟呉の言うとおりにした方が良いよ。死にたく無かったらね。」
「靭、どういうこと?」
私が困惑していると永璃が私の手を引っ張って
「行くぞ、嬢ちゃん。」と歩き出した。
「失礼しました。」
ペコリと幟呉が一礼をして
「気をつけてね、お姉さん。」
靭が手を振りながら去った。
「え?え?……あ、福崗さんそれじゃ――」
言い終わらないうちに福崗さんの顔が見えなくなった。
そのまま病院の人通りの少ない場所まで早足で来ると、突然立ち止まって
「まずいな。」
「だよね、どうしようか?」
「半年前だぜ?もう間に合わねぇんじゃねえか?」
三人はヒソヒソと話をし始めた。
その話に、私は割って入る。
「ちょっと待ってよ!いきなり何なの!?福崗さんに逃げろって言ったり、急に帰ったり!」
私がそう怒鳴ると、幟呉は迷惑そうな顔をした。
「エリスの話を聞いただろう?」
「聞いたけど、それが何なの?」
私が答えると、幟呉は私の質問を無視して呟いた。
「あの御方の所へ行ってみるか……。」
幟呉は私達の顔を見つめると、永璃達が賛同するような返事を返した。
「うん。そうだね。」
「ちょっと危険だがな。」
まったく訳の分からない私は一人怒鳴る。
「何なの!?」
その雄叫びを聞いて、永璃が私の頭をポンと叩いて、遠くを見ながら言った。
「行けば、分かるさ。」
すると幟呉がまたポツリと呟いた。
「まずいことになったな……。」
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