もう人気者には恋をしない

「ところでさ……須藤さんって、
 これからずっとスケッチしに来るの?」


 と、先輩が急に改まった様子で訊いてきた。


「あ、いえ。文化祭の作品のためのスケッチなので、ずっとは来ないです。
 スケッチは今週中には終わらせたいなと思いまして……
 あとは、部室で描きます」

「そっかぁ、そういうことね」


 何で、そんな確認をするんだろう?

 あ、もしかして……


「すみません、先輩。
 サッカーの練習の邪魔ですよね?
 相葉君、モデルに慣れてなくて、動きがぎこちなくなってるから……」


 大事な試合の練習中なのに、悪いことしちゃった……


「いや、そうじゃなくてっ!」

「……え?」


 先輩が慌てて否定した。


「邪魔とかそんなことが言いたいんじゃなくて、その……なんて言うか……」


 ……さっきまで普通に話していた後藤先輩が……しどろもどろになってる。

 え……何で?

 先輩は……何を言おうとしてるの?

 先輩の意外な様子に、だんだんドキドキしてきた。

 何かを言うのを待っていたら……