もう人気者には恋をしない

 話は進み、女の子が病気にかかったお母さんのために、薬草を取りに行くというところまできた。

 一緒に行くことにしたクマが、怖がる女の子を励ましながら、森の奥へと進んでいく。


「二人で歩いていると、
 ガサガサガサーっと音が……」

「ひゃあ!」


 小さな女の子は、自分が森にいるかのように驚いた。


「怖がる女の子に、クマさんは言いました。
『大丈夫だよ。風が木々を揺らしただけだよ』
 それを聞いた女の子は安心しました」

「よかったぁー」


 小さな女の子も安心していた。


「すると今度は、
 バサバサバサーっと音が……」

「ひゃあ!」


 ぷっ……また驚いてる。


「また怖がる女の子に、クマさんは言いました。
『大丈夫だよ。鳥さん達が飛んでいっただけだよ』
 女の子はまた安心しました」

「よかったぁー」


 優しい話と、あの小さな女の子の愛らしいリアクションに、俺の心はだんだんとやわらかくなっていった。