「ちょっとちょっとーハル、あんた何なのよー! 
日に日にゾンビみたいな顔になってるじゃん!」


次の日学校に行けば、やっぱりえみにあきれた声で話しかけられた。


「私、ゾンビだよねぇ」

「はぁぁぁ?」


昨日の星乃先輩のことを思い出しては、考えて、眠れなくて。

こんなんじゃだめだって分かってるのに。


「もうすぐ大事な試験があるの分かってる? ちゃんと寝たほうがいいって」


そう言われ、最近全然勉強にも集中できていないのを思い出す。
さらに憂鬱な気持ちになってしまう。


「そうだよね、頑張らないと……」


頭を押さえ、溜め息をつく。
これで成績が下がったりしたら、ただでさえ疑われてるのにまた先生に色々言われるかも。


面談の時言われた言葉が蘇り、唇を噛む。
龍也君が原因だって思われるのだけは、絶対に嫌だ。


そのためにちゃんと勉強しないと。


難しい顔をしていたのを不審に思ったのか、えみに肩をパンチされる。


「とにかくあんた、一人で色々考えすぎんのやめなさいよ」


その言い方にふっと笑みがこぼれた。


「えみ、そのうち相談してもいいかな」

「ん? 珍しい」


くりっとした目がこちらを見つめている。


「けっこう長くなると思うし、多分ぐずぐずしててうざいと思われるけど」

「何言ってんのよ、いくらでも聞くし!」

「ありがとう」


その言葉を聞いて、安心した。
大丈夫、えみがいるから。


私、まだ頑張れそう。