「それでねー。」
今は、下校中。
ずっと隣で話す上田カナ。
私はそれをぼんやりと聞いてるだけ。
「マキちゃん、着いたよ?」
そう言われて周りを見ると…
「…私の家?」
それは私の家の前。
私は今、自立するため二階建ての家に一人暮らしをしている。
「うん。
そうだよ?」
なんで?
私、誰にも家教えてないよね?
それに、上田カナにも一言も…「そろそろ、上田カナって呼ぶのやめてくれない?カナでいいよ。私もマキって、呼ぶし、それにマキの家を知ってるのは…
私達親友でしょ?」
なに?私、口に出してないよ?
どんなに心で毒舌しても誰にもバレなかったのに、そんな心の声を口に出すような馬鹿でもないし…なんで?
…なんで…?
「じゃあね。…マキ。」