「おい、三山。
　着替えないのか？」

　みんなに向かって背を向けていた俺に、水田が声をかける。


「あ、ああ」

　急いで携帯を閉じる。

　
　緩む頬を正して、あわてて着替えを始めた。




　そんな俺を水田と赤川が不思議そうに見ていた。















　店の裏にある猫の餌場に行くと、先に由美奈ちゃんが来ていた。


「おまたせ。
　遅れてごめんね」

　小走りで彼女に駆け寄る。



「お疲れ様でした。
　私も今来たところだから、そんなに待ってないです」

　にこっと微笑んでくれた。


　その笑顔に身も心もとろけそうになる。


―――俺、どんだけ由美奈ちゃんのことが好きなんだよ。



　思わず苦笑がもれた。