11才も離れていれば、 きっと、色んな障害があるんだと思う。



 つらくても。

 苦しくても。



 それでも、柏木はあの人のことが好きなんだ。







「ちぇっ。
 今さら俺が割り込んでも、全然勝負にならねぇじゃん・・・・・・」





 2人がこっちに出てくる前に、俺は自転車にまたがった。








 あんな笑顔を見せられたら、“俺がどんなに頑張ったところで、彼女の心は動かせないんだ”ということを思い知らされるだけだ。




「あ~あ。
 今度こそ、完璧に失恋しちゃったよ・・・・・・」



 ジワリと浮かんだ涙を強引に手でぬぐって、ペダルをこぐ足に力を込めた。