鈍恋diary


「史華に触りたいって思う。触ると抱き締めたいって思うし、抱き締めたらそれで満足じゃねぇの!

キスしたいと思うし、やりたいとも思う…でも、お前に嫌われたくないからしないだけ。感情だけで動いたら、この間のヤツらより、俺や航希のが危ねぇって理解しろって言いたいんだよ」

いきなりそんな暴露いらないよ…

そりゃ、好きって言ってくれたから、そういう意味もあるとは理解してるけど…

言葉にされると、どうしていいかわからない。

「少しは理解した?」

「した、けど…どうしろって言うの?」

近付くなってこと?

そう考えたら、なんとなく後退りしてしまう。

「そこまで露骨に警戒しなくていいけど、油断はすんなってこと」

「なんか難しいよ…それ」

「じゃ、警戒してろ…隙だらけよりそっちのが危なくねぇから」

でも、なんかそれって自意識過剰なイタい子だよね?

「絶対油断すんなよ?」

「わかりました、しません!…だから、貴史君もあんまり近付かないで」

「お前ホント面倒だな…」

そんなこと言われても、加減がわからないから仕方ないじゃない。

「それより、いつまでその呼び方するつもりだよ?」

「そんなに次々いろいろ言わないでよ、ホントどうしていいかわかんないから」

「史華ってホントおもしろいよな」

あたしはパニックなのに、貴史君は笑い出してて…

全然笑いごとじゃないのに、こういう笑顔ってやっぱり可愛いとか思ってしまった。