王子様と堕姫様




私は花瓶を持って走り出した。



後ろから追ってくる気配もない。



冗談に決まってる。


私は馬鹿にされたんだ。


なんて…恥ずかしい。



「リーア!!
もう少しでマリア様いらっしゃるって!」


花瓶を置き場に置いて、
私はエリカの元へ走り出す。



「リアはマリア様にお目にするの初めてでしょう?
とってもお綺麗なのよ…!!」


マリア様は周りの雰囲気から察するに
女の子の憧れ的存在であるのが窺える。



「うん、初めて。
エリカがそんなに言うなんて…
とても立派な方なのね。」