いやいや、こんなこと言ってる場合じゃなかった。
形勢逆転で、
ピンチなのはわたしじゃないの!!!?
千尋に見えないようにちらりと不敵に笑う寛貴。
どんだけ腹黒なんだ、お前は!!!!
「どこ、蹴られたの?」
無表情を貼り付けたまま、千尋は冷ややかに言うと、わたしの方など見向きもせずに横たわる寛貴の脇にしゃがみ込んだ。
「だ、大事なとこ……」
口ごもる寛貴。
アンタにも恥じらいがあるんだね。
「大事なところって……?」
なおも踏み込む千尋に、いつ自分に矛先が向くのかと思うと逃げ出したい衝動に駆られる。
「わかるだろ?そこまで言わせるなよ!」
寛貴はキレ気味に言うと、ゆっくりと体を起こして……
パシーーーン!!!!
乾いた音がアスファルトを跳ね返った。
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