「うーん、まだ考えてない。僕はそれほど成績良くないし……2年になるまでにゆっくり決めればいいかなと思ってる。

ナナちゃんは、もう決まってるの?」


もちろん、もう3年生だし……。


「うん、お父さんの歯科医院を継ぎたいから歯学部に」


言えないことはまだまだたくさんあるけど、


「えぇーっ!?歯学部!?すごいな、逆立ちしたって僕には無理だよ。

にしてもお父さんの後を継ぎたいなんて偉いね、ナナちゃんは」


少しずつ話していけたらいいと思っている。


会えば会うほど、


話をすればするほど、


ケイくん、


あなたのことが好きになる。


あなたをもっと知りたくなる。


わずか2駅の電車の旅(?)はあっという間。


幸せな時間はこれでおしまい。


北相と西城は駅をはさんで反対方向にある。


だから、改札を出るとお別れタイム。



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