「待ってわたしも行くよ」
亜子の後を追ったけれど、
「大丈夫ですよ。先輩は受験生なんですから、しっかり勉強してくださいね。まぁ、一浪してわたしと足並みそろえてくれるっていうのなら大歓迎ですよ。
あ、試験が終わったら部活さぼらないで来てくださいね」
亜子は意地悪な笑みを残して店を後にした。
あ、自己紹介が遅れました。わたしの名前は福山和夏(フクヤマ ナナ)高校3年生。
大学受験を控えているので帰宅部。
中学時代は亜子と千尋とバレーをやっていたけれど、高校に入って、
辞めた……
なのに、亜子と千尋はそれを認めてはくれなくて……
もうバレーのことは忘れたいのに、
受験勉強に専念したいのに……
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