千尋の言うとおり、彼氏いない歴が年齢と同じ、 淡い初恋の思い出すらないわたし。 別に男嫌いでも苦手なわけではない。 ただそう感じる人との出会いがなかっただけ…… それだけのこと。 「はぁーっ……」 小指に繋がる運命の赤い糸 その先には…… 誰もいなかったりして…… あぁ、だんだん不安になってきた。 「先輩、小指見て何ため息吐いてるんですか。ホンッとに千尋のヤツは…… どうせ家に帰ってやけ食いしているんだから、わたしが様子見てきますよ」 亜子がトレーを持って椅子から立ち上がった。 .