秋元先輩の


「必ずコートに引きずり出してあげる」


この言葉が現実味を帯びてきた。


そこまで言われたからには逃げ出すわけにはいかない。


これはわたしが越えなければならない山であり、


打ち破るべき壁。


試合終了のホイッスルが鳴ったら何かが見える。


何かが変わる。


そんな気がした。


「ナナからは何かある?」


美帆に言われ、メンバーひとりひとりの顔を見た。


「このメンバーでバレーをやるのはこの試合が最後だね。

前の学校で色々あってバレーを辞めたわたしを温かく受け入れてくれて、とても嬉しかった。

一緒に練習していて、バレーの楽しさを思い出させてくれて本当にありがとう、感謝しています……って、亜子、千尋、まだ泣くのは早いよ!!!!」



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