「あなたが控えだなんて、ずいぶん落ちたものね」
棘を含んだ言葉を放つのは、
「秋元先輩……」
今日も大きなマスクに苛立った様子。
目には目をとは言うが、
そんな挑発に乗りはしない。
「はい、おかげさまで。うちは少数精鋭隊ですが、なめると痛い目に遭いますよ」
バッサリ斬り捨てた。
今ならわかる。
彼女は虚勢を張っているだけで決して強くはないということが。
「相変わらずね、その生意気な物言いは」
彼女は気に入らなかったのか、眉間に皺を寄せて、
「確かにあの二枚看板は侮れないわね。だけど、うちの方が上よ」
けど、それは戦ってみなければわからない。
「期待してなかったけど順調に勝ち上がっているじゃない、褒めてあげる。
ここまで来たなら約束どおり決勝まで来なさいよ、必ずコートに引きずり出してあげるから」
そう言うと、練習を開始した選手達にゲキを飛ばしに行った。
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