お兄ちゃんの言うとおり、自分達も同じことをしていることに気づいて欲しい。
そう思った。
バレーをやる資格がないのはわたしだって同じ。
チームメートや監督にサーブやスパイクを打ち込んだことは暴力と何ら変わりはない。
『現状を見かねた監督があいつをコーチとして高校に送り込んだんだが、向こうでもかなり苦労しているようだな。
“因果応報”という言葉があるが、秋元は今までの行いがそっくりそのまま返ってきているようにも思えるが、秋元の人生において必要だから起きているようにも思えるんだ。
あの事件も俺やナナにとっても必要だからこそ起きたのではないか……そんな気がするんだ』
お兄ちゃんの言葉は、わたしの中で波紋のように大きく広がっていった。
明東大付属を辞めて北相に編入しなければ、亜子と千尋ともう一度バレーをすることもなかったし、ケイくんと出会うこともなかった。
本屋での出会いも、
痴漢から助けられたことも、
人生には偶然なんてない。
全てが必然なのかもしれない。
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