えっ……
わたしが逆の立場だったら他大学に進学したと思う。
よりによってお兄ちゃんのいる大学に行くなんて……
理解できない。
それに、
「何で高校のコーチなの?」
納得がいかない。
彼女の実力なら大学でだって即レギュラーになれるはずなのに。
『あいつのことだ、他大学に進学するのはプライドに反することだと思ったんだろうな、逃げるみたいで』
お兄ちゃんがかつての恋人だった先輩のことを淡々と話していく様子は、お兄ちゃんにとって
彼女はもう過去の女性なのだということがわかる。
お兄ちゃんにはもう千鶴さんという美人で聡明なパートナーと新たな道を歩んでいるのだから。
『秋元は大学入学後、女子バレー部に入部した。何事もなかったような顔でな。
ナナの事件は大学でも知らない者はいない。あいつは全ての部員から拒絶された』
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