部屋に入り、トレーニングウェアに着替えていると、
「ナナ、無理なお願いを聞いてくれて、本当にありがとね」
美帆が神妙な面持ちで言った。
「今さら何言ってるのよ。巻き込んだのはどこの誰?
なーんてね、キャプテン、わたしの方こそ足を引っ張らないように頑張りますのでよろしくお願いします」
おどけて言うと、
「承知しました。陰のキャプテン、ナナさん」
美帆もおどけて返し、ふたりで笑い合った。
「何だか中学時代の全国大会を思い出すね」
美帆が懐かしそうに言った。
「うん、あの頃は怖いもの知らずでどんなことにも立ち向かっていたよな」
今は逃げることばかりだけど。
俯くわたしに美帆は、
「ナナは越えられるよ。この大会がナナを変えてくれるとわたしは思っている。
大丈夫、ナナにはわたしがいる。亜子と千尋も、チームのみんなだって」
力強い言葉に元気をもらった。
「そうだね」
顔を上げ、大きく頷いた。
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