「良かった、元気そうで……」


頭の上からケイくんの安堵する声が聞こえた。


ケイくんの規則正しい鼓動が次第に速く大きく動き出すのが頬に伝わってくる。


まるで、わたしの鼓動とシンクロしているかのように…


「やべぇ、ドキドキしてきた」


そう言いながらもケイくんはわたしを腕の中に閉じ込めたまま、離そうとはしない。


「ナナちゃん、千鶴のこと、僕の彼女と誤解してたんだって?
だから、着拒にしたの?」


優しい問いかけに、小さく頷き、


「ごめんなさい」


そっと謝った。


「それは嫉妬と解釈してもいいのかな?」


耳元で囁く言葉にバクバクと心臓が破裂しそうな勢いで大きく動き出すと、全身の血液が顔へと集中する。


「また一緒に朝、学校に行こ?

今度はボディーガード兼……

彼氏として……」



.