「わかったよ、散歩が済んだらまた戻って来る。千鶴、車だから家まで送ってく」


お兄ちゃんは渋々言うと、千鶴さんと病室を出ようとして、


「あ……そうだ」


何か思い出したようでわたしのところに戻ってくると、


「18歳、おめでとう」


恥ずかしそうに言うと、逃げるように病室を後にした。


お兄ちゃんと入れ違いにお父さんとお母さんが病室に入って来た。


美鶴代先生から事情を聞いたお父さんとお母さんは、


「殴られたくらいでぶっ倒れるなんてナナのキャラじゃないだろ!」


「そうそう!バレー辞めてから勉強ばっかりしているから体力落ちたんじゃないの?少しは運動しなさい、運動を!!!!」


なんて、親とは思えない言葉でバッサリ斬り捨ててくれた……。



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