「何?どうしたの?」
動揺を隠し、何事もなかったように平静を装ってみた。
「ナナ先輩、うぅっ……」
ぽろぽろと千尋の目から涙が零れ落ちた。
何で泣いているのよ?
まさか……
だから言わんこっちゃない!!!!
「また寛貴のヤツ、他の女にちょっかい出したの?」
怒気を含んだわたしの言葉に、千尋はぶんぶんと大きく首を振って、
「そうじゃないんです。わたし、あの……ごめんなさい!!!!」
千尋はぺこりと頭を下げた。
は……
はぃぃぃぃ!!!?
どどど、どうしちゃったというの?
あの気が強くてプライドの高い千尋が謝るなんて……
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