ハッピー☆ラッキー




「ところで海翔は何で大学に残ったの?あなただって相当傷ついたはずじゃない?

いくら明東大が首都圏の一流大学とはいっても、もっといい大学に編入するという手もあったんじゃないの?どこの大学でも喉から手が出るほど欲しい人材なんだから」


千鶴さんがいい質問をしてくれた。


それはわたしも知りたかったこと。


「ナナをひどい目に遭わせたヤツらが許せなかった。事件というものはいずれは風化する。だから1年だったヤツらが卒業するまで、俺の顔を見る度にナナのこと思い出させて罪の意識を感じさせてやろうと思った。

大学上層部の人間にも俺が卒業するまであのことを忘れさせないようにと思ったからだよ。

あとは、俺自身も自分の犯した過ちを忘れないため……ナナには本当に申し訳ないことをしたと思っている。だから決めたんだ、ナナが戻ってくるまで、俺がナナの分まで頑張ろうと……」


悲痛なまでのお兄ちゃんの告白に胸が痛む。


苦しんだのはわたしだけではないことはわかっていた。


お父さん、お母さん、


お兄ちゃんだって……



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