苦しそうに言葉を紡ぐお兄ちゃんに、
「何で?何でナナさんが辞めなきゃならないの?おかしいよ、そんなの!!!!」
千鶴さんはそう言うけれど、
記憶にないとはいえ、大嫌いなキャプテン達を大好きなバレーで傷つけた。
大好きなバレーを汚してしまったから。
「それだけ心の傷が深かったということだ。あの日からナナから笑顔が消えた。2年経った今でも心療内科に通っている。
実家に戻って半年くらいは俺が実家にいると部屋に閉じこもって口も聞いてくれなかった。
覚悟はしていたが、正直きつかった。
でも、中学時代の後輩達がナナの心を解きほぐしてくれたおかげで、ようやく笑顔も見られるようになって俺とも話ができるようになった。
だからそろそろバレーに復帰できるかと思っていたのだが……時期尚早だった」
ごめんね、お兄ちゃん。
もうわたしは選手に復帰するつもりはないんだよ。
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