「ナナがこうなったのは、俺の責任だ。
あの時ナナのことを信じていたら、ここまで追いつめることはなかったのに……」
お兄ちゃんの声が遠い意識の彼方で聞こえた。
「そんなに自分を責めてはいけないわ。あなたも被害者だったんだから」
美鶴代先生の言うとおり、お兄ちゃんはわたしを潰すために、キャプテン達に利用された。
「いや、もっと早く気づくべきだった。
あんなに好きだったバレーを俺が取り上げてしまったんだ。
俺だけが何もなかったようにバレーを続けて……本当に最低の男だと思うよ」
もう2年も経つというのに、お兄ちゃんもあの時のことを悔やみ、苦しんでいる。
「あの後気になって、こっそりナナの様子を見に体育館に行った。
悲劇は俺の前で起きたんだ……ッ」
お兄ちゃん、泣かないで、
泣いちゃダメだよ。
「海翔くん、もういい……もういいから」
美鶴代先生の言うとおりだよ。
お兄ちゃんにはわたしの分まで頑張って欲しいんだから。
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