「知ってる?165センチは世間では標準よりも少し大きいくらいなんだからね。わたしはお兄ちゃんみたいな規格外になるのはごめんだわ。
お母さんに言われたの、『ナナは女の子なんだからお兄ちゃんみたいに大きくならなくて良かったわ。お嫁の貰い手がなくなっちゃう』ってね。
だからわたしはこれでいいの」
口をパクパクさせたまま、反論の言葉が出ないお兄ちゃん。
「それじゃ、お邪魔になるから帰るね」
そっけなく言うと、店を飛び出した。
先に出たのはひとり残されるのが嫌だったから。
信頼していたお兄ちゃんを奪われた。
唯一の味方であるお兄ちゃんを……
これが崩壊が始まりだった。
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