いつもと声のトーンが違ったからわからなかった。
「そういうわけだから、よろしくな」
幸せそうに笑うお兄ちゃんの横でキャプテンがほんの一瞬だけ不敵な笑みを浮かべた。
まるで、
「言えるものなら言ってごらんなさい!」
彼女の瞳がそう物語っていた。
どうして?
どうしてお兄ちゃんの彼女がキャプテンなの?
言えないよ。
わたしがバレー部でひどい目に遭っているなんて、
しかもキャプテン主導で行われているなんてこと……
言えるわけがない。
キャプテンの真意がわからない。
あれだけわたしをひどい目に遭わせているのに、お兄ちゃんのことを好きになれるものなの?
本当はわたしを追い詰めるためにお兄ちゃんを利用しているんじゃないの?
なんて、勘繰りすぎなの?
だけど、
お兄ちゃんを傷つけたくない。
お兄ちゃんの笑顔だけは壊したくない。
だからこれだけは言っておこう。
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