ハッピー☆ラッキー




「う、ん……」


目を開けると、見えるのは真っ白な世界。


といっても雪国ではなく、天井も壁も白一色の無機質な部屋。


腕に違和感を覚え、目をやると、繋がれた点滴から滴(しずく)がゆっくりと落ちる様子に、
ここが病院だということが理解できた。


昇降口で美帆から勝手にチームに入れられたことに腹が立って、


校門まで来たらケイくんの彼女・モデルの千鶴さんに殴られて、詰られているうちに、昔のことを思い出して……


そこからの記憶がない。


「頭痛い……」


昔、お世話になった研修医の女医さんが言っていた。


頭痛は睡眠不足でも起きると。


今回は、睡眠時間削って勉強したからな。


ケイくんとお兄ちゃん、


何かしていないと思い出してしまうから、勉強に逃げたといった方が正しいのかもしれない。


わたしだって好きで勉強しているわけじゃない。


単に弱いだけなんだ。



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