ようやく搾り出した言葉。


これでいいんだ。


しばらくは引きずってしまうけれど、


あきらめられる。


「え……ちょっと、ケイって……慶介のこと?」


千鶴さんの声のトーンが変わった。


今さら何を言ってるの?


あなたのステキな彼ですよ。


でも、彼女の質問に頷く元気も答える気力も残っていない。


「ねぇ、答えてよ!!!!」


強い口調で話しかける千鶴さんだけど、


無理です。


「おいっ!何やってるんだ?」


「ナナ先輩!ちょっとアンタ、ナナ先輩に何したのよ!!!?」


「ナナ先輩!しっかりして!!!!」


駆けつけた生活指導の先生と亜子と千尋の声が聞こえた。


もう、


限界、です……


暗くなる視界の中、意識を手放した。




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