「い、いえ!でも、いいんですか?あたしがもらっちゃって……」 寒そうだからと言って見知らぬ人に……。 「どうぞどうぞ。あの……待ち合わせなんですか?」 「あ、はい。待ってるんですけど来ないんですよね」 ふふっと、顔を緩ませてあたしはそう答えた。 すると、彼女の方も笑って同じです、と答えた。 この人も待ち合わせなんだ……。 「あ、来たかも」 辺りを見回し、そう言った彼女。 「児島、ここにいたのか」 「うん」 児島さんと呼ばれた彼女は立ち上がって待ち人の腕を掴んだ。 ……え?