「ただいま。」
あれ?部屋の明かりが…。

「葵〜、真美〜?」
買い物か?
部屋の明かりをつけて
ソファーに座った。


ふと、テーブルの上の封筒に気づく。

「なんだ?」
手に取り中を開けた。

手が震える。

そこには、葵の字で。
別れを告げる内容だった。


「葵……。ごめんな。悩んでたのか…。
俺が…。ちゃんと話してやれなかった
から、自分がって…。バカやろう!
違うよ。なんで!出てくんだよ!!」


俺は、実家や友人の所に電話しまくった
どこにもいない。

葵の携帯に電話、
繋がらない。


考えた、あいつの行きそうな場所。

一つだけ、思い当たる場所。

車のキーを握り走った。

葵を見つけた場所。


外は暗くなっていた。

公園を探した。
ベンチに座る葵を見つけた。


駆け出した。

「葵!!真美!!」

「直人…。なんで??」

真っ赤な目をして、
真美を抱きしめていた。


「心配したんだ!なんで出て行くんだ!
俺は、葵も真美も世界一大切なんだ!
俺を一人にするなよ…。」

「直人…。だって…。悩んでも、私に
話してくれないし…。同じ場所に居るのに、心が離れてしまってるって…そう
思って。私には、何も出来ないんだって
一緒に居る意味がわからなくなったの。」

「ごめん。俺、一人でなんとかしないとって…。必死だったんだ。周りが見えてなかったよ。帰っておいで。何処へも行くなよ。葵…。」


「直人〜。うわーん、さみしかったんだもん。悲しかったんだもん。自分が自分じゃないみたいに、苦しかったんだもん

俺は、2人を抱きしめた。

「帰ろう。我が家に」「う…ん」