だってさ?
金は振り込まれてないわ
店長に電話したのにおっさんが出るわ
あげくのはてに?三万もしたブーツのヒールが取れる?
不幸すぎて笑えるよね。
なんだかおかしくなってきて、見ず知らずの電話の相手の笑い声につられて笑ってしまう。
そんな私の視界に
停留所の標識に貼り付けられてる、プラスチック板の時刻表が、ピカーッと何か光に反射したのが見えた。
それは強い光で、思わず目に力を入れて細めてると、車道から白い物体が横に現れて停まったの。
え?
なに?
何となく目をやると、フルスモークのばかでかい白のベンツが、私の真横に滑り込むように停車したの。
