「無事で、良かった」
相手(あなた)とまた、こうして一緒にいられるこの事実に、涙した。
身を寄せ合い、互いを感じ、労り合う。
良かったと、何度も口にした。
大事な人が無事で、良かった。
そうは思えど、彼の傷は酷い。
すぐに病院に行かなければ。
そうして、あの男。
死んでいるのは明白。正当防衛にせよ、あの有り様では過剰防衛になりかねない。
でも、彼は悪くない。
こんなことーー私に付きまとったあげく、監禁し、彼を傷つけた男に許しなど必要ないだろう。
「宮本、さん……。早く」
立ち上がる。
こんな場所には、もういたくない。
死体だろうとも、あんな男の姿なんて見たくなかった。
彼の体の支えになるよう、腕を引いた。
苦悶しながらも、私の引きに逆らわない彼。
共に立ち上がった。足は傷ついていない。
歩ける、逃げられる。


