その後、近藤さんは動ける隊士全員を広間に集め、隊の編成など詳しい説明をしていた。 それから何分かの後。 「松田組長。少しよろしいでしょうか」 後ろから静かな声がした。おそらく副長助勤の安藤早太郎の声だろう。 振り返ると、花織の予想通り安藤がたっていた。 「自分に、剣の稽古をつけてください」 安藤は新選組随一の弓の名手だ。 なぜそんな彼が自分に稽古を、それも剣の稽古を頼むのか、花織には不思議でならなかった。