いつもは学校帰りだったから制服で行っていたけれど今日はもう帰って来ちゃったからな。
そう思ったら我慢が利かない性なので靴を脱ぎ捨て中に入り、そのまま制服を脱ぎ捨てなんとなく選んだ服を着る。
カバンもリュックから普段使うショルダーバックに変えて、
リュックの中から財布をそして、昨日畳まないでそのままにしていたエコバックを詰め込む。
急いで準備をした詩織が玄関へ一歩足を踏み出した時、
「イッ...」
足の裏に激痛と違和感が走った。
あまりの激痛さに座り込むと足の裏をさすりつつ原因の場所を睨む。
足の裏に声のならない激痛を走らせたのはいつの間にかリュックの中からから落ちていた風紀委員会室の鍵。
涙目をこすりながらベッド脇にある元々はピンクの勾玉キーホルダーを掛けていた白のキースタンドに、
癪に障るが拾い上げた風紀委員会室の鍵を掛けた。
ちなみに家の鍵などはそのキースタンドの下に置いてあるちょっとした小皿が定位置で、
家の鍵でもこのキースタンドには掛けたくなかったのに、
まさかあの大切なキーホルダー以外の物を掛ける時が来るなんて思ってもみなかった。



