ボーダーのリュックを背負い自転車のカゴに二人分のお弁当袋を詰めて、
勢いよく自転車のペダルをこいで白華学園へと急いだ詩織。




自転車を止めた自転車置き場から昇降口に続く短い階段を上がると、

昇降口前の少し広い場所に詩織が今もっとも会いたくない姿があった。






そっか今日その日なのか...




いつもだったら特定の教師がしている制服チェックを風紀委員会がする日がたまにある。




確かな話ではないけど特定の教師が欠勤したり遅刻の際に風紀委員会が制服チェックを行うらしい。




それが今日。


もちろんその中には千堂の姿がしっかりある訳で。





詩織は目線いや顔をうつむかせながら少し背を低くするという偽りの姿で、緊張しながら歩を進めていくことにした。





バレないでくれ、バレないでくれ。

そう心で願いながら。








「甲斐原詩織さん」