「3月31日まであなたと付き合えばそのキーホルダー返してくれるんですよね?」




「あぁ。4月1日になったら、他人同士だ」



「じゃあ付き合います」


「本当にいいのか?」


「二度も聞かないでください!」




同じ質問をする千堂に詩織が吠えると千堂は爽やかな笑顔を浮かべる。





「これで晴れて恋人同士だ」


「まぁ、はい」




ムカつく笑顔を向ける千堂に顔を背けると、頬に千堂の手が滑り込み優しく千堂の方を向かせられる。






自分の思い通りになったから、キスかよ。


はぁ、これもキーホルダーのため。





そう自分に言い聞かせて詩織は覚悟を決めて目をつむった。



数秒後、唇に昨日の朝と同じ感触が降ってきた。