風紀委員長のとある事情






後から分かったことだが、おじいちゃんの死因は窒息死で首に紐の跡があったという。



絞殺の可能性があったがすぐにその可能性は打ち消された。


紐の跡から見て自絞死だったから、つまり首吊り自殺。



しかも死亡推定時刻は午後12時で詩織が帰ったときにはもうおじいちゃんは死んでいた。






『詩織っ!』





あのときおじいちゃんの部屋を開けようとした詩織を止めたのはそのせいだったんだ。




おじいちゃんは色んな病気を患っていた。

その中には認知症もあったらしい。





ここからは憶測。



おじいちゃんは何かがあって首吊り自殺をした。


おばあちゃんが見つけたときには遅かった。


おじいちゃんを失った辛さに耐えきれずに無理心中を図った。






そしてここからは詩織の想像だ。



おじいちゃんは日に日に悪化していく認知症に苦しんでいた。


そして自殺を選んだ。


おばあちゃんが見つけたときには遅かった。


おばあちゃんは詩織を巻き込まないように、でもすぐにおじいちゃんの所に行きたかったから。



詩織を一人で行かせた、そして家に火を放った。




もしかしたらおじいちゃんはおばあちゃんのことを忘れてしまったのかもしれない。


おばあちゃんはずっとおじいちゃんと一緒に居たから、一緒に逝くことに決めたのかもしれない。