真ノ花と嘘ノ花




黒美side



百合の病室に入った時、私は違和感を覚えた。



だって、八重神さんがいた、のに。


百合があんなに笑顔なのは、おかしい。


今の記憶から、すっぽりと希蝶が消えたのか、なんて考えながら起きてナースコールを押す。


"もう一度百合を希望蝶に誘おう、"なんて考えていそうな希蝶さんや呆然としている八重神さんには悪い、けど。


見るところ外傷がないということは脳は傷ついてはいないから、記憶はなくならない。


じゃあ、多分精神的ショック。



私は、普段のお話をしながら、記憶を探る。



「そういえば爽君からメールくるんだ~、・・・っあ!そういえば希蝶、っていう暴走族の莉音君っていう人、知ってる?その人、と葵って人が大喧嘩したらしいよー。」





返事をまつ。



「爽やか君、相変わらずだね~!・・・莉音君、大丈夫かなぁ?葵、って誰?二人とも、大丈夫かな?」



やっぱり、一部の記憶がない。



今着た看護婦さんに小さな声で話す。



「百合は多分外傷がないので精神的なショックで一部の人の記憶がない、と思います。」