約50年前、私は森の奥にいた。

私が誰で、なぜこのような場所にいたのかは、わやらなかった。

記憶を失ってしまっていたのだ。

何かを思い出せないかとぼーっとしていると、懐かしい、嗅いだことのある美味しそうな匂いがしてきた。

「ぐぐぅ...」

と、お腹もすいてきたので、匂いのする方へ歩いて見ることにした。

少し歩いた先に、木に寄りかかるようにして、人が座っていた。