よわむし恋愛バトン




人よりも小さな顔に、腰まである長い黒髪。



目はぱっちりの二重、ぷくっと膨らんだ唇は、白い肌によく映える赤色。




「ケイタ~!は、な、し、てっ!」



顔を真っ赤に紅潮させながら言うチカ。




その言葉でさえ、俺の心臓は激しく脈打つ。



反則だろ、その顔…。




もう一度チカの顔を見たくて横を向けば



「…チカ?は?」



顔を熟したリンゴのように、真っ赤にしたまま息絶えたチカがいた。